BEAUTY / EXPERT

パリから上海へ。パンデミックとともにスタートした真剣交際。【カップルのパーソナルな愛の話】

世界各国、多様なセクシュアリティーのカップルを独占取材。最終回となる今回は、上海で暮らすふたりの女性。コロナウイルスによって閉鎖された状況下だからこその出会い、絆、思い合う力。どんな時でも愛を育むことはできる、と気づかされる。

インスタグラムのDMから始まる。

Z世代向けのコンセプトストア「ENG」でバイヤーディレクター、事業開発を担当するLauraさん(写真左)。前衛的なデザインを特徴とするブランド「DIDU」のデザイナー、Diduさん(写真右)。

Q. 二人のなれそめを聞かせてください。

Laura「パリでL'INSANEというコンセプトストアをやっていたとき、DIDUと一緒にビジネスをしたくてインスタグラムで彼女にDMを送ったことが始まりです」
Didu「普段は DMをチェックしないのに、アントワー プからパリに来ていたときに珍しくDMを開いたんです。その店に寄ってみたらすごくクールな店だったので、一緒にポップアップとパーティーをやろうという話になって」
Laura「それで、ハロウィンで再会したとき、飲む約束をして、メイクをして現れた彼女を見たときに、改めて綺麗だなと思って(笑)」
Didu「酔っ払って夜中にキスして、彼女が私にとっての最初で最後のガールフレンドになった」
Laura「その後、Diduが上海に帰ることになり、ロックダウン直前のパリで3日間を過ごして、真剣交際と約7カ月の遠距離がスタートしたんだよね。2年前に、コンセプトストア『ENG』のオーナーが、 私たちのラブストーリーに興味を持ってくれて、就労ビザを出してくれたので、 やっと上海に来れました」

「夜型と朝型で時間が全く合わないけれど、旅先やパーティーでは一緒の夜を楽しむ」(Didu)という二人のヌード・セルフィー。「長期ビザの問題が解決すれば、来年には結婚し、パリで暮らしたい」(Laura)

 Q. パートナーと自分を等しく愛するた めに心がけていることは?

Laura「二人とも過去に“有毒”な恋愛関係 に陥ったトラウマがあります」
Didu「『これは毒?』と自問自答し合うかも。それに、お互いの両親の関係性を反面教師 にしている。だからこそ、対等に与え、 愛し合う関係でいたいと思っているんです。だから、セックスの話もするし、 お互いの今までの経験も共有するように」
Laura「理解と敬意を持ってさまざまなことを話し合うことで、お互いのバランスを保てている気がしています」

DATA
Laura Darmon/バイヤー・ディレクター、28歳
Didu/クリエイティブ・ディレクター、31歳
▶︎ 住んでいる都市:上海 ▶︎ 交際期間:約2年3カ月

Interview, Text: Tomoko Ogawa Editor: Toru Mitani

『VOGUE JAPAN』2022年8月号「愛を膨らませる、5組のラブ・ストーリー。」転載記事。